歯周病の症状
こんな症状はありませんか?
以下の症状にあてはまる方は歯周病の可能性が高いです。
- 歯を磨いた時に血が出る
- 歯がグラグラする
- 硬いものを噛んだ時に歯が痛む
- 口臭が気になる
- 歯と歯の間の隙間が大きくなってきてものがよく詰まる
- 昔より歯が長くなった気がする
- 歯が浮いた感じがする
- 朝起きたときに口の中がネバつく
- 歯ぐきが赤く腫れていたり、歯ぐきから膿が出る
歯周病・予防歯科
歯周病は30歳以上では3人に2人がかかっている国民病です。
歯周病は自覚症状なく進行するのでなかなか自分で気づくことができません。症状が出てきて気付いた時には重度の歯周病になっていて歯を抜かないといけないといったこともよくあります。
しっかり歯磨きしているつもりでも磨き残しや、磨けない部分というのが出てくることが多いので、定期的に歯医者さんに通って専門的なクローニングをして歯周病が進行しないようにすることが大切です。
こんな症状はありませんか?
以下の症状にあてはまる方は歯周病の可能性が高いです。
歯周病の原因は細菌でプラークと呼ばれるネバネバした粘着物(歯垢)の中に多く含まれています。
プラークの中には酸素が少ない状態を好む嫌気性菌が多くこの嫌気性菌が歯肉や歯を支えている骨に攻撃を仕掛けて歯周組織を破壊していきます。
健康な状態
歯肉はピンク色で引き締まっています。
歯肉溝(歯周ポケット)は1~2mm程度です。
歯肉炎
歯垢(プラーク)が溜まり、歯茎に赤みや腫れなどの炎症が起こり、歯肉溝(歯周ポケット)が徐々に広がってきます。
軽度歯周病
歯垢(プラーク)を放置すると歯石となり歯肉の炎症が拡大し、歯磨きで出血したり、歯周ポケットが深くなってきます。
中度歯周病
歯周ポケットの中に歯石が入り込み、歯を支える骨が吸収してきます。
歯肉の炎症はさらに悪化し、膿が溜まったり、口臭もきつくなってきます。
重度歯周病
歯を支えている骨のほとんどが吸収して歯がぐらぐらしてきます。
深い歯周ポケットの中に硬い歯石があることが多く、最終的には歯を抜かないといけないことも多いです。
歯周治療は「患者さんのホームケア」と「衛生士さんによる専門的なケア」と「歯科医師による治療」によって成り立つ共同作業です。どれか一つが欠けても治療の成功は難しく、長期的に良い状態を維持していくには患者さんの歯周病に対する理解がとても重要になってきます。
1.歯周ポケット検査
最初に歯周病の進行具合を知るために歯周ポケットの深さの測定やレントゲン写真による検査を行います。また、現在の歯磨きで磨けていない場所や注意してブラッシングしないといけない箇所などの説明を行います。
2.歯肉縁上歯石の除去
(スケーリング)
日常の歯磨きでは除去することが難しい歯石の除去を行います。歯石は歯垢の中のカルシウムやリンが混じって石灰化したもので歯周病の原因となります。
歯石には歯周ポケットの上にある歯肉縁上歯石と歯周ポケットの中にある歯肉縁下歯石があり、まずは歯肉縁上歯石を超音波で歯石をはじきとばす機械を使ってきれいにしていきます。歯周病がそこまで進行していない方はスケーリングのみで歯周治療が完了します。
3.歯肉縁下歯石の除去
(ルートプレーニング)
スケーリング後、ある程度すると歯肉が引き締まってきます。歯周ポケットの中にまで歯石が入り込んでいる方はこの段階で歯肉縁下歯石の除去をしていきます。
歯肉縁下歯石は歯肉縁上歯石と違い硬くて黒っぽい色をしていて歯に強固にくっついています。
4.歯周外科(フラップオペ)
深い歯周ポケット内の歯石は除去が困難なため歯肉を開いて歯根を露出させ目視で歯石を取る手術を行います。歯肉を開くと元に戻した際に歯肉の位置が下がってしまうこともあるので手術を行うかどうかは事前に相談させてもらいます。
5.定期的なメインテナンス
歯周治療が終わった後は長期的に良い状態を維持して再発を防ぐために定期的なメインテナンスを行っていきます。
メインテナンスの際には歯科医師による虫歯や歯周病のチェックの他、歯科衛生士による専門的なクリーニングを行います。歯周病の程度によってメインテナンスの間隔は変わります。通常3~6ヶ月のサイクルでメインテナンスにきてもらうことになります。
歯周病が進行してしまった深い歯周ポケット内の歯肉縁下歯石は熟練の衛生士さんでも完全に取り切ることは難しいため、まずは歯周ポケットが深くならないように定期的な歯科医院でのクリーニングを行うことを心掛けてください。
歯周病はお口の中だけではなく全身疾患にも影響していることが分かってきています。代表的な病気として、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞などが挙げられます。
全身の血流に乗って血管や各臓器に大きなダメージを与えるのです。また、早産、低体重出産のリスクも高くなってくるため出産前の歯科検診もとても大切になってきます。生まれた赤ちゃんに歯周病菌をうつさないように注意する必要もあります。
残念なことに日本は先進諸国の中でも歯に対する意識が低く、予防歯科の概念があまり浸透していません。歯が痛くなってから歯科医院に行くのではなく、痛くなるまでに受診する。
定期的にメインテナンスを受ける。毎日のセルフケアを怠らないなど、積極的に歯を守っていく姿勢が予防歯科の特徴です。虫歯になったり歯を失ったりすると生活の質が低下してしまい、また治療に時間と経費がかかるため、それを防ごうという考えから生まれました。
予防歯科の中心は定期健診とセルフケアです。フッ素塗布や口腔内診査、歯垢や歯石の除去(PMTC)、歯磨き指導などを行います。セルフケアだけでは、歯垢や歯石を完全に取り除くことができません。ちゃんと磨いたつもりでも、思わぬ磨き残しがあるのです。そのため歯科衛生士や歯科医から正しいセルフケアを教えてもらいましょう。
自宅でのセルフケアとしては、力を入れすぎて磨かないこと、すすぎの際にすすぎすぎてフッ素を落としてしまわないこと、歯茎や口に合った歯ブラシを選ぶとともにデンタルフロスを活用して歯垢をしっかり落とすこと、デンタルリンスなどを使って虫歯の原因になる細菌を増やさないことです。
お口のスキンシップを通してお子さんに虫歯菌がうつり、虫歯に感染してしまうのです。虫歯菌に感染しやすい時期は、生後1歳7ヶ月~2歳7ヶ月の間です。予防策としましては、この感染しやすい時期に、お子さんと同じ箸やスプーンを共有しない、離乳食の際に咬み与えをしないなど、お口のスキンシップを控える事です。そうすることで成長した時の虫歯の本数を少なくすることができるのです。
また虫歯菌がうつってしまったかどうかなんて分からないですよね。うつさないことと同時に、日頃の歯ブラシ習慣も大切になってきます。小さい時は一緒に歯磨きを行うとともに、ちゃんと磨けているか確認と仕上げを、ご両親でしてあげましょう。また、小児歯科で定期検診やブラッシング指導を受けるのもオススメです。
妊婦さんを対象にした予防歯科のことで、お母さんに出産前後の歯の健康についての知識を身に着けてもらうことで、出産のリスクを高めないこと、赤ちゃんの虫歯を予防し口の健康を守ること主眼に置いています。
妊娠中に気をつけたいことの一つとしてお口のケアがあります。近年、妊娠中の歯周病(妊娠性歯肉炎)は、早産および低体重児出産へのリスクが高まることがわかってきました。これらは妊娠中に増加する、女性ホルモンのエストロゲンが大きく関わっているといわれています。エストロゲンが歯肉を形作る細胞を標的にし、また歯周病原細菌の増殖を促ことが知られています。つまりお口の中が、歯茎の炎症を起こしやすい環境になり、歯周病が非常に進行しやすい状況が整ってしまうのです。
妊娠中は唾液の量が減ることも後押ししています。妊娠中期から後期にかけて女性ホルモンが増加するため、さらにリスクが高まります。出産とともに元には戻りますが、清潔な状態を保つことで炎症を抑えることができますので、プラークコントロールを心がけてください。歯周病は予防可能な疾患ですので、確実な歯周病予防を行いましょう。